夢はなんですか?私は”夢”っていう言葉があまり好きではない。
夢を目標という言葉にいい変えてしまう癖が直らない
小学生の頃の小さい冊子に
「高橋君は、車を作ると言ってがんばっていました、
いつかりっぱな車をつくれたらいいですね。……。」
っていう先生の言葉が書かれている。
小学生の低学年の時にひろしと友人の長谷川君と3人で「車をつくろう!」
ってはじめた工作の事がそれだ。
車を作ろうって言い始めたのは私だったと思う。
2人の勝手気ままな”思いつき”に押されて
優しい長谷川君が一緒に手伝ってくれた
最初はクラスのみんなからの注目の的だった
家から街までは僕たちにとってはもの凄く遠出だ!
何日もかけて切った丸太がタイヤになった
1年生で私の身長は100センチを満たしていなかった、
車作りは子供が勝手に言い始めた”遊び”だった。
でも本気だったのは
絶対車を作って走れる事を真剣に考えていた事
長谷川君から”これでできひんかったらやめよー”って言われても
最後まで2人で車のタイヤを作っていたいた記憶がある。
結局、車は走らず夢になった
その頃の事をあまり思い出す事はなかったが、
大人になっても手作りの車に乗っている夢をよくみた。
必ずひろしが運転していて、私は後部座席から身を乗り出して
「すごいなぁ~ どうやって運転覚えたんや?」って言っている
でもここ数年その”夢”を見る事がなくなった
アートムを設立してからのような気がする
この間作業をしている時に、ふと
車を作ろうと思った事と、アートムを創っている事が
同じ感覚に思えた時があった
もう優しい長谷川君はいないけれど
丈夫なエンジンを創ったり、良いデザインで車を格好よく見せてくれる仲間がいる
たとえ調子が悪くなってもみんなで後ろから押せばいい
まだ小さくてまだまだ遠いかもしれないけれど
これだけは夢じゃない事がわかる
僕たちの車は
間違いなく街に向かって走っている