少し前の話ですが、温かい出来事がありました。
お気に入りの靴で出掛けていた際、靴底が剥がれてしまいました。カスタネットのような形状になり、歩くたびに大きな音で「タンッッ」と響きます。剥がそうにも剥がせず、リズムを刻みながら歩いていました。通りすがりの女子高生はクスクスと笑っています。沢山の人に注目されました。
当然恥ずかしかったのですが、恥ずかしいこと以上に 「歩きにくい」 を通り越して 「歩けない」 状況 に、どうしようかと考えていました。 このまま靴を買いに行くにも、靴屋さんまでは少し距離があります。
その時、
「お姉ちゃんそれどうすんの?」 と、土方のおじさんに声を掛けられました。事情を説明すると、自分が持っていた風呂敷を出し、跪いてギュッと結んでくれました。
おじさんはすぐに立ち上がり、「それ、帰ったら捨てていいから」と言って去りました。じんわりと温かい気持ちになりました。
誰かに温かくされると、誰かに温かさを与えたくなります。
日々思いやりを持って、優しく過ごしたいです。
急遽結んでくださった風呂敷ですが、可愛い靴紐のようでもっとお気に入りになりました。
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